1989年に始まった「8020」運動をご存知でしょうか?
私はこの運動を、先日、高齢の両親を歯科検診に連れて行った時に知りました。
「8020運動」とは
「8020運動」とは、80歳になったときに少なくても20本の歯があれば、食べる機能を満たすことができるので、がんばって20本以上自分の歯を保とう!と言う運動です。
運動開始当初は7%だった達成率が、2016年の調査では何と51%以上となっているそうです。
30年弱でこのパーセンテージの伸び率は、なかなかスゴイなと思いました。
個人個人の口腔内に対する意識が、高まっていると言うことになりますよね。
近年、オーラルケアに関する商品もたくさん販売されていて、電動歯ブラシや歯間ブラシなどで、ぬかりなく隅々まで歯の汚れを落とすことが可能になってきていますので、自然に8020運動を実施している方も多くいらっしゃると思います。
歯間ブラシに関してはサイズ展開がとても豊富で、自分の隙間にピッタリ合ったサイズを選べば、無理なく歯間に挿入できるので、歯石の除去率も上がりますよね。
この先、8020達成率はもっと伸びるかもしれませんね。(^-^)
実際、高齢になった時に歯がないと、硬いものが自由に噛めないですし、入れ歯も不快さは多少なりともありますし、虫歯や歯周病で歯医者に通うにも高齢になれば、通院が大変だったり、体が不自由になってくれば、治療台に座るにも一苦労だったりします。
なので、若いうちから歯を大切にして、一本でも多く自分の歯を残し、噛める喜びをいつまでも味わえるといいですよね。
8020運動をしっかり実施して行かなければなりませんね。(^^)
80歳越えの両親は20本の歯が残せたのか⁉
我が家の80歳を越えた高齢の両親の場合なんですが、市の無料検診があり受診したのですが、父と母の口腔内事情があまりにも対象的で、良い例と悪い例の見本のようでしたので、原因を紐解いてみました。
母は「なかなかの健康な歯」で、父は「なかなかのボロボロな歯」と言う両極端でして、生活習慣がもたらした結果であることは間違いありません。
母の健全歯は12本、処置歯は16本、歯周病、歯のぐらつきは無し。
父の健全歯は2本、処置歯は20本、義歯6本、歯周病、歯はグラグラ。
両者とも20本以上残っていますので、8020運動は達成!です。
では、なぜ二人の歯にこんな差が出たのか・・・紐解いてみます。
母の歯に対する生活意識
母の場合、歯並びが綺麗で、昔からタバコやアルコールとは一切無縁でして、お菓子も全く食べません。素晴らしい。
そしてご飯は良く噛んで食べていて、夜も歯を磨いてから就寝します。素晴らしい。
唾液も豊富に出ています。良いですね。
母は歯医者に行くのは40年ぶりくらいだそうで、歯科医師がこんなに長いあいだ歯医者に来ていないのに、歯がこんなに温存できていて、虫歯になっているのも2本だけなのはスゴイ!と褒めてくれました。
母は今まで人生で、歯医者には3度ほど(1度の時期に数回通っています。)しか通院していないとのことでした。それもスゴイ。(; ・`д・´)
父の歯に対する生活意識
昔から毎日飲酒をし必ずアテを食べ、更にはヘビースモーカーで、夜は歯も磨かず就寝していました。最低です。
歯はまっ黄色で汚いです。お食事中の方気分悪くされたらゴメンナサイ。(_)最低です。
唾液に関しては出が悪く、いつも口の中がパサパサと言っています。ヨロシクない状況です。
父は硬いアイスをかじっただけで前歯が折れ、先日は何かの拍子に奥歯がかけました。(。-`ω-)
昔から虫歯になっても、激痛になるまで歯医者へ通うことはなく、痛みに我慢できなくなりようやく歯医者に行くと、いつも「歯の掃除が痛くて辛い!」と文句を言っていました。言動が・・・(;´Д`)。
しかし、80歳手前で酒とタバコをピタッと止め、歯医者にマメに通い始めてからは、クリーニングを痛がらなくなり、気持ちがいいと言っています。スゴイ変化!
歯科医いわく、タバコのニコチンは免疫力を低下させ歯周病菌が繁殖しやすくなるとのことです。納得。
この二人の生活習慣と口腔内事情の違いが、今の歯の状態を物語っているのだと思います。
母は何でもバリバリ噛んで食べれますが、父はせんべいが好きですが、思いきりかじることも出来ませんし、義歯の間に挟まりお手入れも大変そうです。
自分の歯で噛むことの大切さは、親を見ていて痛感します。
結果、両親の場合8020運動のことは全く知らず過ごしていたので、意識せずしてこの結果ですので、父の場合もっときちんと8020運動を意識して過ごしていたら、もっと歯が温存できたことでしょう。
「8020運動」には必須!歯医者で定期健診を受ける
私は3ヶ月に一回歯医者の定期検診に通っていますが、歯磨きに癖があると、歯石のたまるところも決まってくるようですので、歯科衛生士さんが磨き方もしっかり指導してくれます。
ブラシの毛は硬すぎると歯茎を痛めてしまうので、ふつうから柔らかめを推奨されます。
強く磨きすぎると歯茎も傷つきますし、毛先がすくに広がりきちんと磨けなくなりますので、力を入れすぎないで丁寧に動かして磨くと良いそうです。
歯医者さんは怖くない
父は昔から治療時に神経に触れる痛さに恐れおののき、歯医者を敬遠していましたが、今の治療は全く痛くも痒くもないと言って、何か気になることがあれば、自分で予約をして、速やかに歯医者に通院しています。
これをもっと若い時から行っていれば、今現在、歯に悩まされずに済んだことでしょう。
実際、今の歯医者の治療はほぼ痛いと感じることは有りません、歯周病などがなければ、歯のクリーニングもとても気持ち良く、ウトウト睡魔が襲い衛生士さんに「お口だけはしっかり開けておいて下さいね~。」と言われたりするくらいです。
母は歯のクリーニングで、ピカピカのツルツルになった歯に感激していましたし、維持していくために電動歯ブラシを購入しました。
歯科検診は「歯に対する意識が高まる」いい機会にもなりました。
義歯使用者の声
父は「8020運動」を無意識にさえ行わず生きてきた結果、2か所部分的に義歯でして、義歯はお手入れもひと手間かかりますし、めんどうだからと義歯を入れないでいると、歯が動いてしまい義歯が合わなくなり、痛いと言って悪戦苦闘しています。
「自分の歯なら、こんなことにならないのに・・・。」と後悔ばかりしていますので、やはり自分の歯は大切です。
数年前に101歳で亡くなった祖母は、上の歯は総入れ歯で、痛いからと入れ歯を放棄し、ワイルドに歯茎で噛むようになり、あげくに「歯茎が歯になった!」と言っていました。
歯茎も試練を与えると強化されるのでしょうか?(;・∀・)
マネしない方が良いです。歯茎の炎症になります。
祖母は「あーーーーっ、バリッ!!!っと、自分の歯でせんべいを思いきり噛んでみたい!」とよく言っていました。
後悔の言葉は、「噛めるという動作は決して当たり前ではない。」と痛感している事でしょう。
唾液の出ない病気
私はシェーグレン症候群と言う、唾液や涙が出にくい症状の持ち主なんですが、唾液がでないので、油断するとすぐに虫歯ができてしまいます。
唾液には口腔内の汚れを洗い流し、虫歯や歯周病を予防してくれる役割もあるそうです。
それが自然に行えないので、食後の口腔ケアは必須ですし、フロスや歯間ブラシも欠かせません。
歯ブラシでは60%くらいしか歯垢が落とせないそうです。なので、歯石がたまっていくんですね。
唾液が出ると言うことは、とても重要なことなんだと痛感しています。
ドライマウスの方はお気を付けください。
ドライマウス用の経口ジェルも販売されていますので、気になる方は歯科や薬局で相談してみて下さい。
あとがき
永久歯は失うと二度と生えてきませんので、高齢になったときにも、自分の歯でかめる喜びを維持できるよう、歯科医でチェックやクリーニングを行い、虫歯や歯周病の早期発見を心がけ、虫歯になりやすいのならば、生活習慣を見直すなどして、今一度、自分の口腔内事情と向き合ってみてはいかがでしょうか。
祖母のように歯茎を歯に!と言う事はなかなか無謀だと思いますので、頑張って地道に口腔ケアを意識し、80歳には歯を20本温存!を目指していきましょう。\(^o^)/