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車椅子を押す時の注意点(20年近く介助してきて感じた事)

車椅子を押す女性

私の母は足が不自由な為、車椅子を使用していてその生活は19年になります。

車椅子を押して歩いていると、不便に思うことや危険な事も多々ありますので、押す際の注意点やヒヤッとした体験等をお話ししていきたいと思います。

車椅子を押す時の注意点(20年近く介助してきて感じた事)

車椅子を押していると、時々ヒヤッとする場面に遭遇することもあります。

私が20年近く車椅子を押してきて感じた事をまとめていますので、これから車椅子を押される方の参考になればと思います。

車椅子を押す前のメンテナンス

  • タイヤの空気は入っているか

  • 介助用ブレーキ(介助者の手元のブレーキ)は壊れていないか

  • 全体のネジが緩んではいないか、ガタツキはないか

  • 駐車ブレーキ(大きな車輪のストッパー)はかかるか

等、しっかり調べておきましょう。

ネジが緩んでいると、振動が激しくなり乗っている人の体に負担が掛かりますので、メンテナンスは忘れずに行ってください。

空気が抜けている時と、しっかり補充されている時では、押す側の重みもかなり違ってきますので、空気はしっかり入れておきましょう。

優しくない歩道

車椅子と段差

日本の道は綺麗に整備されていますが、車椅子やベビーカーにとっては、優しくない箇所は多く存在しています。

これは押して歩いてみないと、本当に気が付かない所であります。

車道と歩道の境目の小さな段差で、前輪の細いタイプの車椅子は、スムーズに乗り上げることができない為、足元に突き出たパイプ部分を、足で踏み込み前輪を持ち上げながら前へ進み段差を乗り越えます。

無理にスピードを上げて乗り上げようとすると、つっかかってしまうことがあり、乗ってるいる人が前に放り出されそうになる場合もありますので、段差は慎重に乗り越えてください。

前輪が太めのタイヤなら通過できる場合もありますが、ゆっくりと様子をみながら乗り上げましょう。

歩道から降りる時も、段差になっている箇所は優しく前輪を着地させて下さい。

道を歩いていると、これが何度でも現れるので、常に前方道路の地面の状態を気にかけて前へ進んで下さい。

時折、歩道への入りが斜めに急勾配になっている場合があります。

車椅子を押す際、登りは案外力を入れやすく、グッと押して登りきれますが、下りが車道側に急激に斜めになっている場合、車椅子をコントロールするのは、腕力のない場合は車椅子を支えきれず車道側に横転しそうになりますので、ゆっくり慎重に進んで下さい。

【体験】

過去に一度、歩道の終わりが車道側に、急激な斜めの坂になっていて、車道に転がりそうになり、焦って渾身の力で軌道修正したため、自分の手首を捻挫したことがありました。

本当に渾身の力が出たので難を逃れましたが、力が入らず油断していたらと考えるとゾッとします。

本当にヒヤッとしました。

それ以来、急勾配な坂に出会った時は、引き返すようになりました。

何故、あんなに急激に斜めになっているのか?

これから、超高齢化社会がやってくるので、普通に歩く分にも危ないなと感じます。

道路の端

道の端のギリギリを押していると、花壇や策にタイヤが当たりますし、溝の場合は落下の恐れもありますので、自転車や車に気をつけながら少し内寄りを押しましょう。

よそ見厳禁、穴に注意

道に空いた穴

よそ見をしていると、段差を見過ごしてしまい、歩いているスピードのまま乗り上げると、タイヤがひっかかった時に、乗っている人が手前に放り出されてしまいます。

又そのスピードで段差を降りてしまうと、乗っている人に衝撃が加わりますので、常に数メートル先の危険を察知し気をつけましょう。

段差だけではなく、道には時々、舗装の破損の「穴」も、開いていたりしますので要注意です。

道路の端

舗装された道路は、端に行くに従い溝に向かって斜めに下がっているので、右へ右へと車椅子のタイヤがとられてしまいます。

右手を左側に力を入れて、真っ直ぐに進むように心掛けましょう。

溝の鉄板

溝に掛かるフラットな鉄板であれば、スリップに注意して越えればいいのですが、柵状になっている場合、その隙間に前輪がハマる場合があり、突如ストップさせられ危ない事があります。

ですので、柵状の場合斜めから侵入しましょう。

出会い注意

街の曲がり角で見かけるこの立て札。

まさに注意していないと、ぶつかってしまう「出会い注意」です。

曲がり角はとても危険で車椅子を押していると、曲がった先が直ぐに確認できませんので慎重に曲がって下さい。

【体験】

注意をしていても、猛スピードで曲がってきた自転車や、元気よくかけてきた子供と、何度かぶつかりそうになった事があります。

バックミラーが無く、見通しが悪い曲がり角では細心の注意を払いましょう。

登り、下り坂

坂を押し登る

登り坂は、力いっぱい押します。

軽い下り坂は介助用ブレーキをかけながら、車椅子は上に引き上げるように下ります。

急な下り坂は車椅子の重みで手が滑ると大変危険なので後ろ向きに下りましょう。

しかし、後ろ向き事態が危ないので避けた方が無難です。

スリップ注意

雨の日は、タイル張りの地面や、鉄板がとても滑り安いので、スリップしないよう細心の注意を払いましょう。

公園への入り口の難関

公園の入口にU字の鉄柵に沿い、車椅子を回し入る柵があります。

これは、バイクの侵入を防ぐ為のものですね。

足がパイプに引っ掛からないように気を付けて、ゆっくりと進みましょう。

お店にて

スーパー等の店内は通路が細い為、他のお客さんに、車椅子が当たらないよう気をつけましょう。(足を置く部分が当たり安いです。)

スーパー店内を子供が時折、走っていてぶつかる事があります。

そうすると、子供も怪我をしてしまうので気をつけましょう。

そして子供には「危ないから走らないでね。」と注意しましょう。

ドアの開閉

自動ドアがなく、手動のドアの場合、車椅子から離れてドアを開けなければならないので、必ず車椅子を駐車ブレーキで止めてから離れてドアを開閉してください。

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エレベーター、エスカレーター

えすかれーたー

大きなエレベーターに乗る時、あまり奥に入らない方が出るとき出やすいです。

出る時は落ち着いてバックしましょう。

エスカレーターには、絶対に乗ってはいけません。

砂場を押す時

車いす、浜辺

砂地や砂利道は、車椅子の重みでタイヤが埋もれる為、押す時はかなり体力を奪われます。

【体験】

鳥取砂丘に行った時は、専用のバギーへ乗り換えることをお勧めします。(レンタルがあるようです。)

暑い季節だったので、バギーは借りずに行けるとこまで行こうとしましたが、まったくもって進まず無理でした。

ですので、砂丘に行かれる方は、事前に調べて行かれた方がいいと思います。

しかし、砂丘が見渡されるところまでは、スロープがあるので登って行くことができます。

押しながら走ってはいけません

押しながら走ってはいけません。

走ると前輪がうまく回転せず、ブレーキがかかった様になり、凄い振動が起きます。

急いでいても、走りたい気持ちは押さえて歩きましょう。

【体験】

母が走っている夢ばかり見ると言うので、走ってみた時そうなりました。

危険な行為でした、反省です。

子供の目線、歩行者

子供の目線は、車椅子に乗っている人の顔と同位置で、子供が手を振り上げた時に、車椅子に座っている人の顔に、当たる事がありますので気をつけましょう。

歩行者は手を振り歩いていると、車椅子目線あたりの位置に来るので、当たらないよう気をつけましょう。

【体験】

お手洗いにて子供が洗った手をペーパータオル等で拭かずに、そのまま空中で水を切った為に手を降った際、母の顔にかかり放題になった事があります。

踏切

ふみきり

一番の難関は溝だらけの踏切です。踏切での車椅子の事故が多い事からもわかるように本当に危険です。

  • 距離の長い踏切:距離の長い踏み切りは避けた方がいいです。やむを得ず渡る場合、線路の溝に差し掛かる度に、前輪を浮かせ溝の上を通過するか、後ろ向きからの方が、後輪は大きいので溝にはハマりにくいですが、押す人が後ろ向きになり危険ですので、踏切は押す人が腕力のない場合は避けた方がいいです。

  • 線路に対して斜めの踏切:時折、線路に対し踏切が斜めになっている場合があります。この場合、素直に斜めに押して行くと、線路の溝にハマってしまうので、線路に対してタイヤか直角に入るように進みましょう。

  • レールにタイヤがはまってしまった時:万が一、レールにはまってしまった時は、落ち着いて冷静にタイヤを持ち上げて脱出しましょう。

  • 遮断機の下がる警報音が鳴ってしまったら:遮断機の警報音が鳴ってしまった場合、後ろの危険を確認して、バック歩行した方がスムーズに進めますが、レールに足を取られたり、こけたりしないよう落ち着いてバックして下さい。

  • どうにも、脱出に間に合わない場合、緊急停止ボタンを押すことになりますが、渡る前に設置されている場所を確認しておくと安心です。

緊急時は、どうしてもパニックになりがちですので、落ち着いて冷静に対処できるように、注意点を頭に入れておく事が大切だと思います。

【体験】

一度踏切でレールに前輪がハマった事がありますが、何の対処法の知識も無くかなり焦りました。

その踏切はかなり長かったのですが、真ん中辺りでハマってしまい、そんな時に限って周りに人がおらず、またしても渾身の力で脱出させ、残りの踏切を渡りましたが、渡り切る前に警報が鳴り出してパニックになりました。

それ以来、踏切は渡っていません。

渡らないに越したことは有りませんが、どうしても渡らなければならず、自分の体力に自信がない時は近くにいらっしゃる方にお手伝いをお願いした方がいいです。

車椅子を選ぶとき

これから車いすを購入しようと思案中の方もいらっしゃると思います。

私は今まで19年間で3台の車椅子を使用してきました。

1台6年くらい使用していますので、しっかりメンテナンスを行えば長持ちしてくれます。

車椅子によっても乗り心地が違いますので、ご利用される方が楽な乗り心地の車椅子に出会えると良いですね。

タイヤのサイズ

前輪の細いタイプは小回りがきくような感じはしますが、段差や柵状の鉄板で苦戦する事が多いです。

前輪太めのタイプを使用していた時は、柵状の鉄板にハマることは無かったです。

座席部分

座っているとお尻にネジ部分が当たるようで、薄目のクッションを敷いている程度では、とても痛がりますので、低反発のクッションでしっかりお尻を守って下さい。

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駐車ブレーキ

以前は押している自分に対して、向こう側にレバーを倒せばブレーキがかかっていたのですが、今のは逆で、手前に倒せばブレーキが掛かるようになっていて、こちらの方がとても楽です。

ブレーキを外す時は、ポンと軽い力で向こう側に弾けばいいのですが、母は手も不自由ですが軽く弾くだけなので、片方を私が外すと率先して反対側を外してくれるようになりました。

あとがき

普段、歩行や自転車で何も気にすることなく通過している道も、車椅子には過酷な道である場合があります。

そして、力技で持ち上げるシーンが多々あります。

腕力があれば大した問題ではないのですが、押している私自身も年々腕力が衰えているので、昔は楽々と押せた道も帰宅するとかなり体力を消耗している事から、老老介護に近づくにつれ様々な問題が現れるなと感じます。

そんな、体力のない押す人の為に、電動サポートの車椅子もあるようですので、介護保険を使いそちらを使用して行くことも思案中です。

車椅子を押すと言う事は、大切な人の命と歩いていると言う事だと思うので、思いやりと優しさを忘れず車椅子のサポートを頑張っていきましょう。

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