離婚届は一人で出したほうがいいのか…
提出するとき、どんな気持ちなんだろう?
体験者の話を聞きたいな…
こういった疑問にお答えする記事です。
本記事でわかることは下記のとおり。
☑離婚届を提出したときの気持ち
☑離婚届を提出時のリアルな体験談
最後の離婚届けを出すにあたり、「どっちが出す?」って話になりますよね。
それはケースバイケースで、理由や状況により様々です。
私は20年前に離婚届を自分一人で提出しました。
しかし後々考えたとき、「二人で行き、相手に提出してもらえば良かった。」と後悔しました。
そこで、提出者や提出時のことについて、また実際に後悔した体験談をお伝えしますので、これから提出をお考えの方の参考になればと思います。
離婚届はどちらが提出?どんな気持ちになる?【後悔した体験談】
離婚が決まったら、必ず『離婚届の提出』をしなければなりません。
これを出さない限り離婚が成立しません。
わかっっちゃいるけど、できればその役目したくないですよね…。
では、実際にみんなはどうしたのか見ていきましょう。
離婚届はどちらが提出?
『婚姻届』の場合、パートナーと二人で提出することが圧倒的に多いと思いますが、『離婚届』の場合は二人で提出するのは少数派のようです。
私の周りの離婚経験者を見ても、ほとんど妻側が提出を行っています。
それには、理由がありました。
過去に聞いた話をまとめてみました。
二人で提出した理由
浮気を謝罪されたが許せず離婚に。そのうえで相手に提出してもらい、それを見届けるため。
二人で納得しての離婚なので、最後は二人で終わらせた。
一人で出すのは悔しいので二人で行った。
妻側が提出した理由
夫には不信感しかないので、自分できっちり確実に提出した。
夫に時間が無かった。
離婚裁判を起こした場合
- 第三者による提出。
●離婚届はどちらが提出?のまとめ
裁判の場合は自分では提出しなくても、手続きが大変で様々な記憶が残ると想像できますよね。
ドラマなどで離婚のシーンになると、用紙に署名捺印をして終わる場合がほとんどで、その先の「離婚届けを提出する」という行動のリアルまで描かれることがほぼありません。
ですので、イメージ的に署名捺印でジ・エンドな方も多いと思います。
実際に私もそうでしたので、「離婚届けを提出した時に、自分がどんなことを思い感じるのか?」など、未知の世界で想像すら出来ませんでした。
そこで、実際に『提出時どんな気持ちになるのか』について見ていきましょう。
提出時どんな気持ちになる?
離婚届けを提出した時の気持ちは、“離婚の理由やその時の自分の心情“で感じ方は大きく違ってくきます。
周りの離婚を見ても、『夫の浮気により妻側が自ら提出した』という場合が多いですが、この状況であっても提出時に感じる思いは、その人により違っています。
例えば同じ理由でも、提出する妻の心情が、下記2者で違ってきます。
- 怒り心頭に達し愛想をつかしている場合
- 悲しみに押し潰されている場合
怒り心頭に達し愛想をつかしている場合、相手がどんなに謝ろうが、「断固もう絶対に許さない!」と言った態度で提出し、「せいせいした!」と感じる。
悲しみに押し潰されている場合、「なぜこんなことになったのか…。」と悲観的になり、辛くて自分をも責めてしまい悲しいと感じる。
この2パターンを見ても、夫婦の今までの過ごし方や、お互いの性格により感じ方は違ってきます。
ですので、提出後の感情は、『離婚理由や自分の心情』により、大まかには想像をつけることはできると思います。
しかし、実際の提出時、その想像外の思いに出くわすことがあります。
ちなみに私の場合なのですが、届け前の感情は、「悲しくて心が痛い」でした。
今まで生きてきて「悲しい出来事」をそれなりに経験してきましたが、届けを提出した直後に味わった悲しみは、尋常ではなく想像の上の上の上あたりをいきました。
自分で心構えができておらず、涙腺が破壊されそうなほど、外で泣いてしまったので、「こんなこともある…。」と言うその体験談をお話したいと思います。
離婚届を一人で提出【後悔した体験談】
離婚届を提出した日のことは、20年経った今も色褪せることなく鮮明に覚えています。
それくらいパンチのある出来事でした。
『婚姻届』を提出した日とは、まさに正反対の気持ちです。
この体験談を読むことで、「思い得なかった何か…。」を少しでも心に届けることができたらと思います。
では下記4つの項目に分け、お話ししていきたいと思います。
・離婚届を提出した役所での出来事
・離婚届提出後、息も止まりそうになる
・一人で提出したことを後悔した理由
離婚届を一人で提出した理由
離婚理由について簡潔にお話しておきます。
それは元夫の『浮気と借金』でした。
幼い子供が一人いたので、元夫に対して目を覚ましてもらうべく、何度も説得にあたりましたが、元夫はどんどん浮気相手にのめり込んで行きました。
愛を純粋なものとして捉えている様子の元夫は、「離婚したい!」そればかりしか言わず、周りの誰が何と言おうと、その心を変えることはできませんでした。
恋は盲目!愛の魔力!と言った感じで、ノイローゼ気味になって行く元夫を見て、子供に悪影響だったこともあり私は離婚に同意しました。
そして元夫に「あなたが離婚届を出して。」と言いましたが、「できない。」と言われ、私は元夫に失望し信頼も失い、「しっかり自分のこの手で終わらせよう…。」と思い一人で役所に行きました。
これが私が離婚理由と、届を一人で提出するに至った経緯になります。
離婚届を提出した役所での出来事
離婚届提出にあたり、書類に不備がないことをしっかり確認しました。
いざ役所に行こうと思ったのですが、日付を見るとその日は…2月14日⁉バレンタインデーでした。
さすがに気分が進まず翌日に。
そして翌日、どんよりした気持ちで役所に向かいました。
まず、はじめに思ったことが…
ここ…婚姻届、提出したなぁ…。
そう言えば、あの時も一人だったなぁ。
手続き場所は、「戸籍の届け出」で、婚姻届や出生届と同じ場所になり、その風景を見て当時の記憶がよみがえりました。
その地点でかなりの虚しさが込み上げていました。
そして番号札を取り順番を待っていました。
その時、婚姻届を出しに来ているカップルと、後ろには妊婦さんの夫婦がいました。
こうなると、私の虚しさは更に増していき、幸せそうな二組を見ていると、今から提出する薄っぺらい紙が、とたんにズッシリと重く感じてきて、胸が引き裂かれるような気持ちになり、涙が溢れそうでしたが必死にこらえました。
そして順番がきて提出しましたが、書類に不備はなく淡々と受理されました。
自分が必死に過ごしてきた結婚生活が、薄い紙切れを提出しアッと言う間に終止符が打たれたことで、さらに虚しさが追い打ちをかけました。
なんとも言えない複雑な気持ちで、役所の出口を目指しましたが、歩きながら涙が溢れ出してしまいました。
離婚届提出後、息が止まりそうになる
役所を出てからは、涙が止まらず息が止まりそうになりました。
これは、想定外でした。
そうなったのは、下記の『数々の想像しえない不意打ちの出来事』が原因でした。
前日がバレンタインデーだったこと。
婚姻届も一人で提出した記憶が蘇ってきたこと。
提出時に幸せそうなカップルがいたこと。
離婚届けに物凄い重さを感じたこと。
その四段重ねの襲来で、『心の虚しさのダム』が決壊し、『悲しみの激流』に変わった!という感じでした。
役所を出るなり嗚咽まで登場し、自分の意思では止めることができなくなり、とっさに目の前にある電話ボックスに駆け込みました。
そのまま電話で、家族に提出したことを報告しました。
「辛かったね、一人でよく頑張ったね。」そう言われ、その場に立っていることができず崩れ落ちました。
泣きすぎて呼吸方法がわからなくなり、むせ込むほど泣きました。
泣き止まない私に「泣けばいい、ずっと我慢してたんだね、泣いたらいい。」そう言って電話の相手は寄り添ってくれました。
なんとか心を落ち着かせ、電話ボックスに「泣く場所をありがとう…。」と思いつつ、その場を後にしました。
大人になってから、外であんなに泣いたのは、あの日が最初で最後でした。
そしてその日から、涙の止まらない日々が長く長く続きました。
一人で提出したことを後悔した理由
離婚届け提出後、こんな後悔が押し寄せてきました。
結婚生活っていったいなんだったんだろう?
あの日々には一体何の意味があったのか?
こんな思いをするなら結婚なんてするんじゃなかった!
せめて最後は元夫に離婚届けを提供してもらえば良かった!
様々な思いが心に重くのしかかり、取り戻すことも未来を築き上げることもできなかった「結婚」と言う事柄に対し、「全うできなかった人」という見えないレッテルを離婚届を提出することで、貼り付けられたような気持ちになりました。
そしてその後、その勝手な被害妄想からなかなか抜け出すこともできず、それでも人には悟られまいと明るい顔をして生きてきた時間がとても苦しかったです。
自分一人でこの想いを背負うのなら、無理にでも夫婦最後の共同作業として二人で時間を作り、役所に出向くことで、思いを共有するべきだったと感じました。
一人で婚姻届も離婚届も提出したことが、まるで『人生一人芝居のようだった』というのが後悔した理由になります。
以上が離婚届を提出した体験談になります。
あとがき
この記事を読み『届けを出す心の準備』のお手伝いになればと思います。
私は何の心構えもなく、ましてや自分が泣くなどと思いもしていなかったので、あの時、「誰かのこんな経験を聞いていれば、少しは構えることができて悲しみも半分くらいは抑えられたかもしれない。」と感じたので、この記事が誰かのその役に立てればと思います。
何かが終わる時というのは、本当に寂しく心にポッカリ穴が開きます。
心に残る傷は少しでも少ない方がいい…。こんな経験、誰にもしてほしくないです。
提出に行かれるあなたに、経験者の私から声をかけれることはただひとつ。
寂しさを味わったとしても、その寂しさを1日でも早く、次の未来の出来事への糧にできるよう、気持ちの切り替えを上手にすることを考え行動していけば、悲しさを減らすことができます。
そして、そのかわりに強い心が手に入り、きっと力強く自分の未来を切り開けます。
その希望を胸に、役所の扉を開いて下さい。