超高齢化社会の今、親の介護をされている方は沢山いらっしゃると思います。その「介護をする時」と言うのは突然訪れる事があります。
普段から、介護に対する心構えをしていたとしても、いざそうなると未知なる世界の為、分からないことが多く戸惑う事態にならないとも限りません。
私の両親も高齢で二人とも持病があるの為、いつ介護をすることになっても良いように「心構え」を持っているつもりでしたが、一昨年、父が倒れ入院した時に介護が目前に迫りきたのですが、心構えは崩れかけかなりバタバタとしてしまいました。
母は、ほぼ歩くことができませんし、両親共に介助や介護が必要になると、自分一人では限界値も感じます。施設も視野に入れてはいますが、できる限り自宅でのんびりと過ごしてほしい思いがあるので、「介護」への心構えが完全にバタン!と粉々に砕け散らないようにしなければなと思い直しました。
突然の入院から退院、その後の備忘録となります。
廃用症候群が恐ろしい、高齢者の入院
父が倒れた時の状況は、気管支肺炎でした。かなりの高熱の為、即入院となり2ヶ月入院しました。
80歳超えの父は3週間ほど、ほぼ寝たままの状態で安静が必要だったのですが、その3週間で驚くほど体力や筋力が落ちてしまい、入院3週間目には歩けなくなり、せん妄症状になり身体機能全般的に低下し、下がった熱は油断すると直ぐに上がり、排尿も上手くコントロールできなくなりました。廃用症候群になってしまいました。廃用症候群とは、安静状態が長引く事で、様々な心身の機能が低下してしまう事です。
1ヶ月は身体能力を上げるための、リハビリでの入院となりました。
しかし、父のやる気と周りの医者看護師さんたちのおかげで、何とか歩けるようになり、体力が付き始めると、徐々に排尿もできるようになりました。しかし、入院前と比べると70%くらいの動きと言ったところでした。
若くて体力がある人なら、ここまで落ち込むことはないでしょうが、元々体力や筋力のない高齢者にとって、入院するという事は、その後「自宅に戻れる戻れない」と言う問題まで巻き起こりますので、普段の生活の中で健康管理がとても重要になってくるのだなと痛感しています。
入院中のカンファレンス
リハビリ病棟に移った時に、家族と病院側とでカンファレンスが行われ、今後どのようにリハビリして行くか、今どういう状態であるかなど、詳しい病状やこれからの事を聞くことができます。
実際に熱をよく出しますし、2回ほど転倒して骨折もしました。そして退院後は入院で免疫力が低下したのか、リウマチを発症してしまい月1回通院しています。
退院後の選択肢
退院する前には「今後どのようにするか」と言う事を、主治医や担当看護師の方と話し合います。
自宅に戻る
退院の選択肢としましては、自宅に戻る場合、介護サービスを利用するために要介護認定を申請します。認定が決定するとケアマネジャーさんを決めて、ケアプランを作成して、様々なサービスが受けられます。
自宅に手すりを取り付ける等の改修費用も、1割から2割負担で行えたり、福祉用具の貸与もありますが、要介護度により対象外となります。
この辺りのことに関して、全くの無知であった為、短期間で考えなければならないことが多かったので、もっと勉強しておけば良かったと感じました。
市役所に行けば高齢者の為のサービスガイドがあると思いますので、一読しておくととこういう時全然違ってくると思います。
施設に入所
そして次に施設に入る場合、地域包括支援センターや市区町村の窓口、老人ホーム紹介事業者などに相談して、体身の状態や予算の希望条件に合った施設を探します。低価格で入所できて立地条件も良ければ、待ち人数も多いです。
医療体制の整った施設に入所
次に退院をするも、医療ケアやリハビリがまだ必要な場合は、施設に入る場合と同じで、地域包括支援センター等に相談し、医療機関との連携や看護体制が整った施設を探します。
いざ退院(自宅に戻る)
退院前のカンファレンスの結果は、退院時の身体の状態、そして家庭環境をよく考え、病院でしっかり話し合います。父は自宅に帰ることとなりました。
要介護度認定調査を受ける
父の要介護認定申請に関しては入院先の病院が、書類の手続きをしてくれました。本当は入院中に認定調査をするはずだったのですが、リハビリを頑張って歩けるようになりだすと、身体がみるみる元気になり退院が早まった為、自宅で行いました。
ケアマネージャーさんを決める
要介護認定が決定するとケアマネジャーさんが着いてくれて、今後の様々なプランを考えて下さいますので、とても心強い存在となってもらえます。わからないことは何でも聞きました。本当に頼りになります。
デイサービスに通う
もう少しリハビリが必要でしたので、要介護認定も「要支援1」と決定し、介護保険を使用して週に一回、デイサービスに通うことにしまして、そちらでもリハビリをして頂きました。
人とのコミュニケーションを取ることも、とても刺激になりますし入浴も手伝ってもらえます。
私は爪を切ってあげることが下手くそなのですが、その爪切りも手早くさっさと痛みもなく行ってくれると父は喜んでいました。
四季折々の行事や、外にも連れ出してくれたりしますので、気分転換にもなりデイサービスにはとてもお世話になりました。
そのデイサービスに通うにあたり、施設を利用する為の契約を結ばなければなりません。何かと手続きが必要となります。
退院後、父が身につけた習慣
毎日「検温」する習慣をつけています。少しでも熱が出て様子に変化が見られたなら、早めに「かかりつけ医」を受診するようにしています。
足腰が弱らないように毎日散歩を行う。
先日は、公衆トイレの和式トイレで、足が立たなくなり救急搬送されました。えっ?!そんな事あるの?と驚きました。
日常生活で小さな変化を見落とさないようにしなければならないです。早期発見、早期治療ですね。
高齢の親と同居開始
父が退院してからは、私は両親と一緒に暮らすために引っ越してきました。先の事を考えると、不安は大きいです。
しかし、見えない先のことを不安がっていても何も始まりません。日々笑って暮らせることを心がけて、今を生きようと決めました。
呑気な独り暮らしの私の生活は、父の退院と共にガラリと一変してしまいましたが、育ててくれた親への孝行だと思い、即スイッチを切り替えて、忙しく毎日を過ごしています。
親の通院と、自分の仕事の両立
今は、高齢者と暮らすことの大変さに日々奮闘しています。私は仕事をしていますので、親の具合が悪くなり病院に連れて行く時は、仕事を休まなければなりません。
この頻度が多発してくると、仕事も継続し辛くなります。しかし、自分の生計を保つために、仕事を辞める訳には行きません。
私は今は勤めている会社の仲間に、シフトを変わってもらったり、両親の定期通院をなるべく夕方の診察にしたりして、調節しながら頑張っています。
しかし、この先これがどこまで続けられるのか、この先どうなるかもわかりません。学校でも家庭でも教えてはもらっていない未知なる未来です。
実際に父は熱をよく出しますし、2回ほど転倒して肋骨を骨折しました。そして退院後は入院により免疫力が低下した為か、リウマチを発症してしまい月1回通院しています。
もうこうなると、適応能力を試されているかのような感覚に陥ります。私は、負けず嫌いでそれに負けたくない思いが沸き立ちますので、つい無理をしがちになるのですが、自分自身も持病を抱えているので、自分の健康管理にも留意しながら、両親を支えていかなければと思っています。
まとめ
これから超高齢化社会がやってきます。どの家庭にも様々な問題が起こると思いますが、高齢者と暮らすと言うことは、前もって色んなことを想定しておくことが大切だなと思います。
病気や怪我、事故などは前触れもなく突然やってきます。備えあれば憂い無しですので、大切な家族の為に一歩先を見据えて、どんな支援があるのか今から調べておくと安心だと思います。
一人では抱えきれなくなった時は、地域にある地域包括支援センターに相談するなどして、助けてもらいながら前に進むこともできますので、頑張りすぎず助け合いながら、高齢化社会を生きることが大切だと思います。
介護する側される側、お互いが無理をしないようにする為にも、今から話し合えることがあれば話し合い、お互いを思いやる気持ちを大切に、生きなければならないのではないでしょうか。
支えるだけでは、いつかは力尽きてしまいます。
実際、介護に疲れ果ててしまい、誰にも相談できずに悲しい事件となるケースも後を絶ちませんよね。そう言った結末をゼロにする為にも、助け合い支え合うことが重要になってくると思います。
それは、身近な周りの家族を頼ることであったり、専門的な人達であったり、気持ちの面では、育ててくれた親への感謝の気持ちの強い在り方であったり、他にも同じように頑張っている人がいると言う心の支えであったり、様々な形の支えがあると思いますので、力尽きないように無理をせず、そう言った小さな支えの集まりにより、これからの超高齢化社会を同じ空の下、皆で支えていけたらいいのではないかなと思います。