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徐々に進行するアルツハイマー型認知症に負けない親子の日常

アルツハイマー型認知症

徐々に進行するアルツハイマー型認知症に負けない親子の日常

私の父はアルツハイマー型認知症なのですが、初期段階で発見できたこともあり、その後、服薬と本人の努力により、2年経った今も当初とさほど変わりなく生活できています。

それでも、本人のヤル気がなくなり日常生活の動きが鈍くなると、微妙に症状の進行を感じるので、周りの家族の声掛けや支えが大切だと日々痛感しながら過ごしています。

そこで本記事では、これから徐々に物事を忘れ、今までできていたことができなくなっていく父の日常を、しっかり受け止めて歩んで行く親子の様子をお伝えしたいと思います。

父は昔のことはとても良く覚えていて、歴史や政治にも詳しく、ニュースなどで起きている政治問題に関しては私より深く理解しています。

しかし、短期記憶ができなくなっているので、新しい機械の操作はからっきしダメで、めったに使用しない機器も操作がわからなくなっています。

その典型的なエピソードを2つお話します。

忘れたエピソード:病院で使用している血圧計

血圧計

4年くらい前から3ヶ月に1度、定期通院している病院があるのですが、毎回、セルフで血圧測定をするのですが、その使い方が突然わからなくなりました。

筒の中に腕を入れるタイプの血圧計だったのですが、いつものようにさっそうと血圧計の前に行き座ったのはいいのですが、「おい!手が入らんぞ!」と血圧計と格闘しているので、見にいくと…測定のスタートボタンを押してから、筒の中に腕を差し込もうとしていたので、圧縮して内部が縮んで塞がり、手が入らない状態になっていました。

「そんなもん、入るかいな…。」ですが、父は大まじめに、スタートボタンを押しまくっていました。

前回は3か月前に来た時は出来ていたのに、忘れてしまったのです。

そこで、私が操作を説明すると、「先に腕、入れるんかい!難しいのぉ~。」と言いました。

そんな時は、「そうね~ボタンが色々ついてたらわかりにくいね。」と同調します。

すると父は、「もう、わかった!次からは大丈夫や。」と納得してスッキリしてくれます。

実際には次の時に覚えていたり忘れていたり様々で、脳って不思議だなと感じます。

忘れたエピソード:2年前に購入した暖房器具

電気ストーブ

2年前に購入した暖房器具の存在を忘れてしまいました。

その時の会話になります。

父「なぁ、去年は何の暖房器具を使ってた?石油ストーブやな?」

私「えッ?石油ストーブはここ3年使ってないよ。一昨年、電気ストーブ買ったやん。父さんそれを独り占めにして暖をとってたよ。」

父「電気…ストーブ…???」首をかしげて考えている…

私「そう、電気で棒がオレンジ色になって暖まるやつ。去年、その真ん前で足組んでて、スリッパが前面の網に着いてて燃えて煙が出たやんか。」

父「それはない!そんなことはありえんわ!それは絶対にない!」自信に満ち溢れた完全否定。

私「残念ながら、事実なんですわ。ほら、細い線が横に3本ついてて、3段階のスイッチをひねると赤くなって直ぐに暖まるやつよ。」

父「……。」スゴク悩んだ顔

私「スイッチが300w、650w、1000wって3段階あって、父さんカチカチと切り替えたおして、私にしょっちゅう真ん中に合わせておけばいいと注意されてたやつ。」

父「あー!あー!アレ!はいはいはい!!!思い出した思い出した!」かなりの大声。

ここで、記憶が脳裏から呼び覚まされスッキリしたようで、パーッと表情が晴れ渡りました。

思い出せそうなことは、クイズのように頭を働かせて記憶を引き出します。

思い出せば父もスッキリ晴れやかに自信に満ちた顔になるので、こちらも「よっしゃー!よく思い出した!」と嬉しくなります。

しかし、「スリッパは燃やしていない!」と言い張るので、失敗を認めたくないというプライド部分なのでしょう…。

それに関しては、どれだけヒントを出そうが、認めることはないので、こちらはそれ以上は言わずに話をおさめます。

そのストーブに関しては、去年使用するときには、父から「寒いから電気のストーブ出してくれ。」と要望があったので、今年はその存在を忘れたということになり、ここ一年でアルツハイマーは進んでいるのだなと実感しました。

徐々に進行するアルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は徐々に進行していきます。現代医学では進行を止めることも、完治させることも不可能です。

しかし、進行を緩やかにすることは、服用と努力と生命力で叶うと信じています。

実際に当たり前にできていたことが、少しずつできなくなっていくことを、側で見ていると切なさが込み上げますので、目標に向かい努力することで、おセンチになりそうな気持も、前向きにすることができるので、ちょっとでも進行を緩やかにすべくサポートに力を入れています。

父も私も負けず嫌いなところがあるので、この認知症がわかったとき「落胆せず、いかに進行を遅らせるか!」に未来の目標が固まったので、人間の底力を信じてアルツハイマー型認知症と仲良く付き合っていこうと思っています。

どこまで症状を緩やかにできるのか、今後もしっかり親子の日常を綴っていきたいと思います。