同居中の高齢の親に対し、こんなお悩みはありませんか?
✓心配すると文句と思われる
✓仲良く暮らしたい
✓思いが伝わらなくてイライラする
親子なので言葉に遠慮がなくなったり、価値観や生活リズムの違いなどが積み重なると、互いに不穏な時間をまねいてしまい、「仲良く暮らせない。」なんてことに…
そうならないためにも、本記事では下記のことについて解説していきます。
☑仲良くできないときの考え方
☑わかってくれている人について
私は、80歳越えの両親と同居していますが、父がなかなかのクセ者でして、人の立場に立ち物事を考える事ができないトラブルメーカーなんです。
私が心身ともに余裕のある時は、多少の矛盾やワガママを受け止め流せますが、余裕のない時はイラっとしてしまい、言い返して大喧嘩になり、家庭崩壊しそうになった時期もありました。
それと当時に、自分の精神も崩壊しそうになり、『このままではダメだ…。』と、自分の考え方を変えました。
すると比較的ココロ穏やかに過ごせていますので、同じようにお悩みであれば、ぜひ参考にしてみて下さい。
明るく笑って過ごす未来のために。
高齢者が言うことを聞いてくれない時の対処法
高齢者と暮らしていると、できなくなってくる事が増えるため、小姑のようにどうしても小言が多くなりがちです。
それを『文句』と捉えられ、話したこともスルーされた日には、虚しさしか残りませんよね。
そんな時は、「何故言うことを聞いてくれないのか?」と言う、根本的な部分について考えることが解決への近道となります。
そこで、まず下記について考えてみました。
- 同じ目線に立ってみる
- 暮らしの工夫をする
では、ひとつずつ解説します。
同じ目線に立ってみる
高齢になると、判断力や決断力が低下し、我が子や社会支援を頼らざるをえなくなります。
そして徐々に、親子の立場が逆転していきます。
そこで、一旦親の立場に立ち考えてみます。
個人の性格により、感じ方は違ってくると思いますが、一般的感情を紐解いてみますと…
・申し訳なさを感じる
・世話にならないよう元気でいたい
などの思いが想像できます。
「親としてのプライド」と言うものがあるのなら、崩れ去ることを止められない悔しさもあると思います。
そんな状況下で、子供に注意や忠告をされるわけですから、話しかけ方や言葉選びが重要になってくる事でしょう。
そこで、親のプライドを守りつつ、まずは会話の中で『言うことを聞いてくれない根本原因』を突き止めます。
『できなくなっていく自分』を想像し、『子供にどう言われたり、行動されればスッと心に入ってくるのか…?』を考えれば、言葉選びの答えは見えてきます。
私の親を例題に上げてみます。
②バス乗車の順番を守らない
③病院に行きたがらない
①道の真ん中を歩く
父は道を歩く時、道の真ん中を歩いてしまうので、わかりきっているとは思いつつ「危険だよ。」と注意するのですが、それだけでは毎回ココロに響いていないようで、父はこう言い訳をします。
「車がよけるから大丈夫だ。」…と。腹立ちますがグッとこらえます!
そして、根本的問題解決のために「なんで道の真ん中を歩こうとするの?」と問いかけると、父はこう言いました。
「道の端は斜めになっていて歩きにくい。」と。
ここでの問題は、『脚の筋力低下により、斜めの道を歩けなくなっている。』と言うことがわかるので、解決策を提案しました。
「お父さん、斜めの道でバランス取れないってことは、脚の筋力が低下してきてるのかも。私も最近足腰弱ってきてるし、家でできる運動器具買ってやろうよ。」
すると父は意外にも乗り気になってくれました。
と言うことは、自分でも“脚の衰えを実感していた。しかし自分で解決策は見いだせていなかった。”と言うことが伝わってきます。
②バスの順番を守らない
バス停で順番を守らず、一番に乗り込もうとするマナー違反には、情けなさしかありません。直ぐに注意すると父はこう言いました。
「そんなものは、いいんじゃ!」…と。開いた口がふさがりません…。
しかし、私は冷静にこう反撃しました。
「孫が一緒にいても、胸を張って同じ行動をとって、“後ろに並んでても先に行っていいんじゃ!”って言える?胸張って言えない行動なら、普段からやめようよ。カッコイイおじいちゃんでいてよ。」
これで、マナー違反行動は無くなりました。
③病院に行きたがらない
病院に行きたがらない…と言うのは母なのですが、かなりの病院嫌いで、野生動物のように具合が悪くても隠してしまいます。
症状が酷くなり私が気付いて、結局、通院回数が増えると言うことを繰り返します。
例えば、40℃近い発熱を隠し肺炎を起こしかけていたり、勝手に持病薬の服用を止めていて悪化していたり、耳が痛いのを我慢していたりと、なかなかの我慢強さですが、褒められたものではありません。
ですので、母にはこう言いました。
「病院は嫌かもしれないけど、初期症状なら病院に行くのも一回で済むから、おかしいと感じたら教えて。高齢になったら免疫力も低下するから、自力で直すのは難しいんだよ。お医者さんに行った方が早く良くなるから、その方が私も安心だから。」と。
そう、切にうったえても母はイマイチわかってくれていないので、毎日の体調変化に私自身が目を光らせて、異変に気が付けばすぐに病院に連れて行き悪化を防いでいます。
以上のように、日常の小さな『聞いてくれない』を試行錯誤して解決することは、もっと大きな出来事をこばまれた時の予行練習にもなります。
結局のところ、高齢者の意識を変えることは難しいので、自分の考え方を変えたほうが、解決策としては早いです。
次章では、少しでも『同じことを言わなくていい環境作り』について解説していきます。
暮らしの工夫をする
高齢になると、物忘れや勘違いの頻度も増え、見ている側からすれば、心配であるがゆえに、注意や忠告をすることもありますよね。
そこで、暮らしの中で、注意や忠告をしなくてもいい工夫をしていきます。
電気の消し忘れや、フタの開けっ放しくらいは大したことではありませんが、火を使うことや、オレオレ詐欺に関しては、一歩間違えば取り返しがつかないことになります。
親が被害に合わないよう、先手を打ち話をしたとしても、普段から注意や忠告が多いと『文句』にとらえられ、「自分はしっかりしてる!大丈夫!」と、理解してもらえなかったりします。
こんなことが続くと、親子関係にヒビが入りかねません。
心配していることを、文句と思われるのは❛悲劇❜です。
そうなる前に、注意や忠告をしないでいいよう、工夫できることは片っ端からやってしまいましよう!
我が家の施した工夫を例に上げてみますね。
- タオルバーの端に、物を置きっぱなしにするので、置けないようにガードした。
- 外出時、よく忘れる持ち物を紙に書き、玄関の鍵の真ん前に掛けた。
- 電気を消し忘れるので、センサーライトにした。
- ガス火でお茶沸かし中に、その場を離れてしまい、そのまま忘れるので電気ポットにした。
- 電話は留守電にし、直接出ないようにした。
- 散歩を面倒くさがるので、万歩計を買って競うゲームにした。
あの手この手で、いかに文句を言わずに済ませられるか⁉を楽しむくらいの意識が良いです。
工夫することで、小言を言わなくて済むので、ぜひ対策できることがあればやってみて下さい。
親と仲良くできないときの考え方
親子でも、ひとつ屋根の下に住むには、多少なりとも気をつかうことは必要です。
仲良くいられないのは、思いやりのキャッチボールができないからですよね。
しかし残念ながら、投げたボールを受け取ってくれない高齢者の性格を変えることは、ほぼ不可能です。
不可能とわかっていることに、目くじらを立ててムキになっても、精神や体力を消耗するだけです。
ですので、ヘルパーさんのように、どんな相手にも思いやりを持ち接する目線を持ち、自分が相手に振り回されないようにしたほうがいいです。
思いやりは簡単に伝わらない価値あるものだ!と、楽観的になり心を軽くして、親が元気で過ごせるよう、サポートを頑張りましょう。
しかしですね、思いやりは本人に伝わらなくても、全く関係ないところでわかってくれている人もいます。
最後の章では、実際に心救われた体験談をお話します。
わかってくれている人がいると言うこと
楽観的、客観視!で気持ち軽く生きていても、こちらも人間です…実際、腹立つことはたくさんあります。
納得のいかないことや、悔しいことは日常茶飯事なので、正直、心配していることがバカらしくなる時もあります。
しかし、世の中には、わかってくれている人がいます。
私の父は近所の人や、病院の医師や看護師に「娘が文句ばかり言う!眠れない。」と私を悪者にします。
しかし私は、一切反論しません。
すると、その言葉を受けた第三者は、「娘さんは、それだけ心配してくれてるんだよ。ほったらかしにされてる親御さんも沢山いるし、心配されることは幸せなんだよ。」と父を諭してくれます。
そう言ってもらえると、とても心が救われます。
「自分一人ではない、世の中には同じような立場の人や、わかってくれている人も沢山いるんだ。」と、感じることで苦労が報われます。
ですので、本人に伝わらなくても、ワガママ言われたとしても、どこかでわかってくれている人がいることを励みに、文句と思われない工夫を楽しんでいきましょう。
まとめ
衰えていく親自身も、不安を抱えています。
自分も育ててくれた存在を、守る側に立つことは初めてのことで、いろいろな不安があります。
ですので、お互いの立場に立ち物事を考えられなければ、気持ちのすれ違いが起こります。
そうなると、ストレスをためることとなり、物事はどんどん悪い方へ進みかねません。
そんなことになる為に私たちは生きていませんので、1秒でも笑っている時間を長くできるよう、しっかりとできる対策を施し、一枚上手になって問題を乗り越えていきましょう!
『高齢者が言うことを聞いてくれない時の対処法』を、最後にもう一度まとめておきます。
- 同じ目線に立ってみる。
- 注意や忠告をしない工夫をする。
- 腹が立ったらヘルパー気分になり客観視する。
- わかってくれている人がいることを励みにする。