何気ない日常のワンシーンから、ふいに大きなメッセージを受け取った心温まるお話になります。
小さなスズメからの大きなメッセージの心温まるお話
会社の帰り道、自転車に乗っていたら左斜め前方で、変則的な飛び方をしているスズメが視界に入ってきました。
「その飛び方は何!?」と思っている間に距離は近づき、突如、自転車の真ん前に急降下してきたので、私は必死に急ブレーキをかけました。
車輪にまきこんだか!?と思いきやスズメは無事で、再び変則的に飛んでいったのですが、よく観察してみると、、、
どうやらスズメは小さな「蛾」を追いかけ回していたようで、空中戦によりスズメの羽ばたきで蛾も吹き飛ばされながら逃げていて、それを捕まえようと、必死に右往左往する事態になっていたようでした。
普段は警戒心の強いスズメ
普段、スズメは警戒心が強いので自分から近づいてきたり、自転車の前に飛び降りて来るなんてことは絶対にしないので、その時のスズメはまさに「必死」だったと言うことがわかります。
周りも見えないほど蛾を捉えることに夢中だった。
私はその時「一所懸命に生きている。」と、ひしひしと感じて何故か目頭が熱くなりました。
小さなスズメの必死に生きる姿
「…何故か…。」と言う所の理由はわかっています。
私はかつて全てを失い負債を抱えてしまい、家族を守るべく周りが見えないくらい必死に働いた時期がありました。
その頃の自分と瞬時にオーバーラップしたのです。
何もかも無い状態ならば、自ら生み出さなければなりません。
その日暮らせても明日の飯の保証はありません。
まさにその日暮らしは「必死」でした。
なんとか毎日一所懸命に働き、生活を軌道に乗せその日暮らしからは何とか脱し、今は安定した日々を送っていますが、スズメはと言うとその保証のない大変な毎日が当たり前で、繰り返しあのように必死に生きている…。
自然相手に生きるその大変さは、私が必死だった時期などは比べ物にならないと言う事は即、考えが及びます。
そして、思いました。
小さなスズメからの大きなメッセージ
「そうだ、"必死"と言うのは生きる上での本来の姿なんだ。」と。
しかし、私達人間はスズメのようにそこまで必死にならなくても、食べ物はスーパーに行きお金を払えば手に入れることができます。
それは人間のみが与えられた知恵を使い、作り上げてきた便利な生活空間です。
それが当たり前の現代、食べ物を手に入れるために狩りをすると言う事は不必要となり、遠い昔話になってしまいました。
その人間の便利な生活空間の中で、必死に生きる野生の生き物たちを見て、改めてそれは命を繋ぐためなんだと感じました。
便利な今を当たり前に思わず「自分も、もっと必死に生きなきゃな。」と小さなスズメの体から、私の心を揺るがす大きなエネルギーが伝わった瞬間でした。
そのメッセージをしっかり受け取ることができた「貴重な数分の出来事」でした。
あとがき
しかし何故スズメはあんなに必死だったのか?と考えてみましたが、蛾は今の季節のご馳走でそれを逃すまいと全力で狩りをしたのかもしれませんね。
私もまた明日からスズメに負けないように頑張って生きようと思います。