nyaoblog

暮らしの工夫・商品レビュー・美容関連

シェーグレン症候群体験談、判明してから10年経過のまとめ~蕁麻疹から発覚

10年ほど前、全身に出現した猛烈な蕁麻疹がきっかけで、シェーグレン症候群と橋本病(慢性甲状腺炎)であることが同時に発覚しました。

記事の内容は発症時の様子や、発症後10年間気をつけてきた事等の経緯となります。

「今現在、この病気の方、最近、この病気が発覚した方、もしかしたら、この病気かな?」と不安な方へ、同じ仲間がいるんだと言うことをしって頂いて、少しでも役に立つ情報をお届けできればと思いますので、長文になりますがよろしければお付き合いください。

シェーグレン症候群体験談、判明してから10年経過のまとめ~蕁麻疹から発覚

シェーグレン症候群や橋本病についての詳細は、ネット検索すれば詳しく説明されていますが、実際にこの病気にかかられている方の声は、なかなか少ないように思いますので、「私の場合」限定になりますが、一例として書いて行きたいと思います。

病気を知るきっかけは蕁麻疹

膝を抱えて座る

病気の始まりは10年前ほど前になり、当時の事は今でもハッキリ覚えています。

全身に大量の蕁麻疹が出た事が始まりでした。

もともと色々なアレルギーを持っていたので、何かに反応して蕁麻疹が出る事は子供の頃から時折あり、蕁麻疹が出ても驚きはしませんでした。

いつも蕁麻疹が出たとしても、数時間か長くても一日ほどで引いていました。

しかし、あの時の蕁麻疹は全く治まる気配がなく、全身に世界地図のように出現し、そこから更に日を追うごとに、経験したことのないくらいの蕁麻疹に見舞われることになりました。

蕁麻疹の出始めた箇所は、足のスネからでした。

蚊にくわれたようなプクッとした腫れと痒みが数か所に現れ、そこから一気に全身くまなく広がりました。

これはいつもと違う…明らかに異常さを感じました。

内科を受診

まず初めに内科を受診しましたが原因特定はできず、薬や点滴も全く効きませんでした。

とうとう目が開かないほどに腫れ上がり、唇は倍くらいに腫れて痒いを通り越し、熱くて痛いと言う状態になりました。

内科では痒みを止める点滴を数日行いましたが、一向に蕁麻疹は引いてくれず、挙句の果てに「羽毛布団が、悪いのかも?」と言われ、残念ながら埒が開きそうにないので、皮膚の事だから、「皮膚科に行ってみよう!」と思い受診しました。

皮膚科で「シェーグレン症候群と橋本病」の診断

藁にもすがる思いで、皮膚科の扉を開きました。

蕁麻疹が出た時の状態を、写真に撮り貯めておいたので、それを見てもらいました。

蕁麻疹は気まぐれで病院に到着した頃には、すっかり治まってしまっている事もあるので、写真で撮っておくと診察の参考になります。

すると、医師は皮膚症状を見て「アレルギーは何かありますか?目は乾きますか?口も乾きませんか?疲れやすい?日光に対してはどうですか?」

等々と次々に問診をし、首を触診し「甲状腺炎とシェーグレンかなぁ、血液検査してみましょう。」と、その日は痒みの引く注射を一本打ってくれました。

錠剤のステロイドと、アレルギー薬を処方してもらい家に帰りました。

そして帰宅するころには、大量に出ていた蕁麻疹が魔法の様に引いていて、本気で感動したのを今でも覚えています。

しかし、喜びも束の間…翌日にはまた出現しました。

後日、血液検査の結果で「シェーグレン症候群と橋本病」であることが判明しました。

診ていただいた医師が良かったです。

問診の段階で、ある程度の病気を判断出来る腕があったのでラッキーでした。

まず、「シェーグレン症候群と橋本病」がどんな病気であるのか簡単に説明します。

シェーグレン症候群とは

1933年にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンの発表した論文にちなみ名前がつけられました。

主に中年女性に好発し、涙腺と唾液腺を標的とする臓器特異的自己免疫疾患ですが、全身性の臓器病変を伴う全身性の自己免疫疾患でもあります。

自分の身体の成分に対し、免疫反応を起こすことによる自己免疫疾患で、遺伝的要因、ウイルスなどの環境要因、免疫異常、更に女性ホルモンの要因が考えられています。

様々な要因が複雑に絡み合い発症するものと考えられ、どれか一つの原因で発病するわけではありません。

経過に関しては、約半数の患者さんは10年以上経っても何の変化もないようですが、半数の患者さんは10年以上経つと何らかの検査値異常や新しい病変がみられるそうです。

橋本病とは

甲状腺に慢性の炎症が起きている病気で、慢性甲状腺炎とも言います。

女性の割合が多く、男女比は約1対20~30程度と言われていて、年齢別では特に30~40歳代が多く幼児や学童はまれです。

自己免疫異常による炎症により甲状腺がはれたり、甲状腺機能異常を起こすことがあります。

原因は自己免疫の異常で、原因は未だに明らかになっていません。

治療法

つっぷして座る姿

どちらの病気も自己免疫疾患ですね。

ですので、起きる症状は似ています。

なので私の場合は両方同時進行しているのだろうなと思います。

リウマチ等の膠原病と合併してしまう方もいらっしゃるそうです。

私の両親はともにリウマチですが、シェーグレン症候群は発症していませんので、人それぞれなんだなと思います。

私も血液検査のリウマチ因子の値が高いですが、炎症値は正常範囲で今のところリウマチのフリをしているようです。

私の場合、両親からの遺伝的要素はかなり大きいなと感じています。

いつリウマチを発症してもおかしくない状況下にいることは、重々承知しているので、「もうなるようにならぁ!」と楽観的に考えて10年が経ちます。

病気がわかった当初はとても不安で、この2つの病気の事を調べ倒しました。

シェーグレン症候群に関しては治療法はなく、対処療法しかないとのことで、不安で落胆したものでした。

橋本病に関しては、女性ホルモンが出ているので、特に治療の必要はないとのことでした。

ホルモンが出ていない場合は、薬を処方していただけるようです。

食生活の見直し

「治療しなくていいレベルなのか…。」と、少し気楽になるも、蕁麻疹問題があったので、これを止めない事には痒みで仕事にも集中できず、日常生活にかなり支障をきたしていた為、とりあえず食事の見直しから始めました。

皮膚科の主治医は「シェーグレン症候群は膠原病の仲間ですが、膠原病の人は蕁麻疹が出ることがあり、慢性化してなかなか引かないことがあるので、じっくり治して行きましょう。糖分がアレルギーを触発する事があるので、控えて下さい」と、おっしゃっていました。

私は、その言葉にかなりハッとしました。

と、言うのもストレスが溜まると、どうしても甘い物が食べたくなり、小さめのワンホールのケーキを丸ごと食べたり、カステラを一本、恵方巻きのごとく無言で食べきったり、スナック菓子はひと袋ペロリとたいらげていました。

ですので、もしかするとその糖分の取り過ぎが、蕁麻疹を誘発したのか!?とも感じます。

自律神経失調症、発症

微笑む女性

蕁麻疹は、なかなか治まってはくれないまま、次は自律神経失調症になってしまいました。

次から次へと忙しい身体です。

ここで心療内科も兼ねた内科を受診して、色々なアドバイスをもらい、運動を始めました。

この頃から、症状が改善に向かっていったと思います。

40代に様々な病気が巻き起こり、更年期も重なり様々な症状が出たのでまとめてみます。

リアルに出現した症状:対処

  • 光が眩しい。蛍光灯さえも眩しい。

  • 体が気だるく、毎日風邪を引いているような気分。

  • スカッとした気持ちになれることがなく、憂鬱でイライラしてしまう。:イライラしているときは、私はカラオケで発散します。

  • 皮膚がカサカサしたり、唾液が出にくいので蒸しパン等を食べたら飲み物を飲まないと口の中でかむことが出来ない。

  • 唾液が少ない為、虫歯になりやすい。

  • ドライアイなので、埃っぽい場所にいくと、目玉に埃が付着してゴロゴロとなり、結膜炎になる。:眼科で目薬を処方 

  • 白目に水泡が出来て眼科に通院。:ぶよっとしたゼリー状の水疱でした。眼科で針を刺してつぶす治療ですが、痛くも痒くもありません。

www.nyaoblog.com

  • スクラブ洗顔の粒が目に入ってしまい、涙が無いために裏まぶたに埋もれてしまい取れなくなり眼科に行ってとりました。

www.nyaoblog.com

  • 膣も乾燥し、雑菌が入り込んでしまい産婦人科に通院。:おりものが増えて発覚。

  • 鼻の中は乾燥して春先には中がかさぶたになる。:ワセリンを塗っています。

  • 抜け毛のひどい時期がある。

  • タバコの煙や排気ガスで喉が速攻荒れ声がかすれ出す。:体が即時、異物と判断している感じになります。

  • 免疫力が低下しているので風邪を引きやすくなる。:風邪ひいたかな?と感じた瞬間、栄養のあるものを食べ、水分もたくさんとり寝る!これで熱出して寝込んだことはありません。

  • 起床時に、体がこわばる。:風場は部屋を暖めてから起きています。

  • 腹痛。胃痛。:大腸内視鏡検査や胃内視鏡検査もしました。

  • めまい、貧血のような症状。:血液検査では全く貧血では無かったです。自律神経失調症と診察されました。

  • 自律神経失調症。

一番ピークに症状がひどいときは、上記のフルコースな感じでした。

今は自分の病状を理解して、対処療法をしているので酷くなることが、ふせげているのかなと思います。

私の対処療法

  • 目の乾きには、ドライアイの目薬。ドライアイ用の眼鏡の着用。

  • 口の渇きにはガムをかんだり、干し梅を舐めて唾液の分泌を促す。歯磨きを丁寧にする。虫歯になりやすいので、定期的に歯科検診に通う。

  • 抜け毛には頭皮マッサージ。

www.nyaoblog.com

  • バランスのよい食事、適度な運動。

  • 日光対策をする。日光に当たると、ものすごく体がダルくなり、真夏は外から帰宅すると、倒れ込むような状態になるので、真夏でも腕カバーは2つ重ね付けて、その上に紫外線カットのパーカーを着ます、そして帽子をかぶり、長ズボンと言ういでたちになります。サングラスも日焼け止めも塗ります。

  • 暖房の効いた部屋では、加湿をして乾燥を防ぐ。保湿対策の眼鏡も販売されています。私は冬場はエアコンの効いた乾燥した部屋にいると、乾いた目に浮遊しているホコリが張り付き、目が開けられなくなりますが、この眼鏡をかけていると自分的に90%楽に過ごせています。

  • 人混みでは感染を防ぐためマスクをする。

  • 規則正しい生活を送る、休む時は休む!無理をしない!

  • お風呂のお湯は熱くしすぎない。熱すぎると皮膚がカサカサになる。

  • ストレスは発散して解放しクリアにする。

  • 医学の進歩は凄まじく、新しい治療が開発されているので、気持ちを明るく持ち生きる。

今は一年に一度の通院

今でも冬場の朝は、思うように体が動かないのですが、自律神経失調症の通院で、気持ちが前向きに変わり、なるようにしかならん!と思い、深く考えないようにして過ごすことに決めた日から、元気に笑顔になれています。

「病は気から」ですね。

気持ちだけではどうにもならない時もありますが、異変を感じたら主治医に相談です。

皮膚科の通院では、当初は月一回通院していました。

最初の一年は薬を飲み忘れると、すぐに蕁麻疹が出ていましたので、薬がないと不安になっていましたが、徐々に飲み忘れても大丈夫な状態になり、結局五年くらいかかりましたが、蕁麻疹は引いてくれて、ステロイドからも脱却できました。

長かったです。

いつも蕁麻疹におびえながら暮らすのもなかなか神経を使いました。

人前で出現しだすと、周りの方に心配をかけてしまうのが辛かったです。

蕁麻疹は顔に出ると隠しようが無いんですよね。

今はもうすっかり蕁麻疹も止まり、数年経ちますが蕁麻疹は全く出ていません。

ほんとうに一体なんだったのだろうと不思議に思います。

病気の発覚から10年ほど経ちますが、確かに症状にはムラがありまして、妙に元気で爽快な時もあれば、朝起き上がれないくらいだるい時もあります。

そして、弱くなった事が2つあります。

1つは真夏の陽射しに当たると、とてもダルくなる事。2つ目はお酒にとても弱くなりました。

血液検査では毎回特に変化は無いのですが、冬の朝の起き抜けのこわばり感は増してきている事と、そのこわばりがなかなか抜けきらなくなってきている事は多少進行しています。

そして一昨年、指の関節に痛みとこわばりが出始め、「あぁとうとうリウマチがきたかぁ!」と構えて、血液検査やレントゲン検査、尿検査をしましたが、相変わらずリウマチの値は高いものの炎症値は低いため、リウマチの診断は下らずボルタレンを処方されました。

これを塗ると痛みが軽減されて、一ヶ月ほどで関節痛は無くなりました。

診断は、空振りに終わりました。空振りで良かったんですが(汗)

今は一年に一度、血液検査をするにとどまっていますが、少しでもおかしいなと思ったら受診するようにしています。

難病医療費助成制度開始

平成26年5月から、「難病の患者に対する医療等に関する法律」が公布され、平成27年1月1日から、新たな難病医療費助成制度が始まりましたので、主治医に相談されるといいかと思います。

病気が認められると助成を受けられ、医療費の軽減になるので、申請が通れば有難いことだなと思います。

あなたは一人ではない

私の症状を色々と書きましたが、私の場合は上記に書いた事が、次々と目まぐるしく巻き起こりました。

皆が皆、同じ症状ではなく、とても重い症状の方もいらっしゃれば、軽くてすんでいる方もいます。

中には気がつくこともなく、不調だなと思いながら過ごしている方もいらっしゃると思います。

厚生労働省研究班のデータでは、1年間に病院などを受療した人は、15,000~20,000人いたそうです。

沢山の人が、この病気と共に生き、工夫もされて頑張っていると思います。

一人ではないと思うと勇気も湧きますよね。前向きな気持ちが一番の薬のようにも感じます。

治療研究は進み、光は見えている

風船と女性

母は40年くらい前にリウマチを発症しましたが、当初は有効な薬がなかったので、病状はどんどん進みあっという間に関節が曲がってしまいました。

父の場合は、一昨年リウマチを発症したのですが、母を見てきた私は、父が関節を痛がる様を見て、もしかしたらリウマチかも⁉と感じ、整形外科を受診して血液検査をしましたら、まさしく「リウマチ」でした。

現在は「リウマトレックス」と言うリウマチの錠剤が出来ていて、早期発見で関節が曲がることもなく今は快方に向かっています。

発症の時代が数十年違うだけで、これほどまで治療や治癒に差が出るので、医学の進歩は凄いなと感じています。

最新の免疫学では、病気のメカニズムを明らかにしつつあります。

人間の体には、未知なる部分がまだまだ沢山あり、研究も本当に大変だと思います。

研究してくれている方々には本当に感謝します。

自分自身でも病気に関する書物を読んだり、自分の身体に耳を傾けて出来る事をして、病気を根本から治す事ができる未来に期待を寄せ、前向きに今を明日をその先を、自分らしく生きて、笑って過ごしたいと思います。

長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

お体大事になさってください。