高齢の母に何をプレゼントしようかなぁ。
欲しい物はないって言うし…
何をもらえば嬉しいんだろぅ。
高齢の母への贈り物、けっこう悩みますよね。
たいがいの必需品は持っていますし、欲しいものを聞いても「特にない」と言われたとき、物以外で考えると『一緒に出掛けたり食事したり』が頭に浮かぶと思います。
私の母は80歳越えの高齢者で、物欲が全く無くプレゼントをしても、しまい込んで使わないことがほとんどなので、プレゼントをするときには大好きな食べ物にしていました。
しかし、いつもそれでは味気ないと思い、考えに考えて感謝の言葉の「ありがとう」を届けることにしました。すると、大大大成功で、久しぶりに母の心底の笑顔を拝むことができ、更に「心からのありがとう」を伝えることができたのです。
そこで、この記事では私が“どのようにして感謝の言葉を贈ったのか”について、実体験を元に解説していきますので、ぜひ今年の母の日の参考にしていただけると幸いです。
高齢者の母の日のプレゼント~“達成感”を感じる「ありがとう」に決定!
母の日に「ありがとう」の感謝の言葉を贈ろうと思ったのは、日頃は母が私に対して「ありがとう」と頻繁に発っしていることがきっかけでした。
それは何故かと言うと、母は若い頃から持病で手足の変形があるため、私が何かとお世話をすることで、その都度、「ありがとう」を伝えてくれるからです。
そこで、母の立場に立って考えてみて気がついたことが、“母が達成感”を感じる「ありがとう」をこちらが伝えることでした。重要なのは“達成感”になります。
では、どのように伝えたのかについて、下記項目に分けて解説していきます。
母の無くしたものについて考える
プレゼントを贈られると、今持っているものに追加されていくことになりますよね。そこで発想の転換で、「母が無くしているものを補う」と言う風に考えてみました。
すると、「そう言えば最近、自分から母に“ありがとう”を言っていないわ。」と気づき、「これはどう考えても母からすると悲しいことだろう。」と思ったんです。
感謝するばかりで、される事がなくなってきているという事ですから、私が母の立場でしたら、嬉しいようで悲しい複雑な気持ちになるだろうなと思ったのです。
「ありがとう」を届けよう!そう決めました。
母の得意なことで“達成感”の材料を作る
病気の悪化と共に「自分で出来る事」が一つ、二つと消えてゆく母を間近で見てたので、今年の母の日は「母に何かをしてもらって、私から”ありがとう”の言葉を伝えること」をプレゼントしたいと思いました。
それには「私が母に感謝する材料」をこしらえなければなりません。
母は裁縫がとても得意でした。しかし、私はその遺伝子は全く引き継いでおらず、裁縫がすこぶる苦手でした。そこで、思いついたのが『少し破れかけたお弁当袋の修復』でした。
母は昔、裁縫で私に色々なものを作ってくれました。中でも母の作ってくれる洋服は私の自慢でした。
持病で曲がった指でも、裁縫は「昔とった杵柄」で器用に縫い繕う姿が想像出来きました。そして、母の日の前日に、お弁当袋を母に持っていき繕いのお願いをしました。
自分は、カーネーションの小さな花束を用意しておきました。
幼い頃に伝えてきた「ありがとう」と同じ気持ちで伝える
思い返せば幼い頃から、母に色々なありがとうを伝えてきました。
洗濯してくれて、ご飯作ってくれて「お母さん、ありがとう」
お菓子やおもちゃを買ってくれて「お母さん、ありがとう」
参観日に来てくれて、お弁当作ってくれて「お母さん、ありがとう」
お洋服を作ってくれて、髪を編んでくれて「お母さん、ありがとう」
お願い聞いてくれて、悩みも聞いてくれて「お母さん、ありがとう」
病気のとき側で心配してくれて「お母さん、ありがとう」
沢山の「ありがとう」と共に成長して今ここに私はいるんだなと、しみじみ感じました。
しかし、思春期には素直になれず「ありがとう」の5文字が言えない時期もありましたので、なかなか奥の深い言葉でもあるなと感じます。
だからこそ、母の日の「ありがとう」は、子供の頃の自分に負けないくらい、元気よく伝えるのがポイントになります。
想像している地点で、その言葉を聞いた後の、ハニカミながら微笑む母の顔を想像すると温かい気持ちになれました。
「ありがとう」に震え泣いた母の日
お弁当袋を受け取りに母のところへ行きました。
母が私にお弁当袋を手渡しながら、「上手に出来なかったわぁ、こんなんなっちゃった〜。」と言いました。縫い目をみると自分の想像していたものと、全くかけ離れた縫い目がそこにありました。
歪んだ縫い目に糸の幅もバラバラで、お世辞にも上手とは言えない仕上がりでした。それを見た瞬間、私は一気に色んな思いが込み上げました。
すごくすごく手が痛いことが、その縫い目から伝わってきました。それなのに一生懸命に繕ってくれた事が、嬉しさを通り越し切なさが胸に突き刺さると同時に、心の底から「ありがとう」と言う気持ちが溢れ出しました。
そして、私は用意していたカーネーションの小さな花束を「ありがとう」と言って贈りました。すると、母はとても嬉しそうに「うわぁ、ありがとう。」と満面の笑顔で受け取り喜んでくれました。
様々な込み上げる思いに涙がリンクし始め、私は自分の部屋に慌てて戻りポロポロと泣きました。そして心の中で何度もつぶやきました。
「お母さん、本当にありがとう。」
与えるはずが人生で初めて全身が震え湧き出る「ありがとう」を与えてられて、母の偉大さを感じることとなりました。
まとめ
母の日のプレゼントに、「母が達成感を感じる“ありがとう”を伝える」と言うことで解説してきましたが、最後に手順をまとめておきます。
カーネーションを用意しおく
母が昔よくやってくれたこと、得意なことを思い出す
2.を上手く利用して、母の日に「ありがとう」を届けられるよう段取りをする
感謝のとびきりの「ありがとう」と「カーネーション」を贈る
「それ、良いかも⁉」とひらめいていただけましたら、ぜひお母様とあなただけの最高の「ありがとう」を作り上げ届けてみてください。
しかし、くれぐれも、お母様が無理をされないような“達成感”の得られることを探してみてくださいね。
ステキな母の日になりますように願っています。